雑記: 2006年6月アーカイブ

単行本

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作家という仕事はバクチと同じだ。 サラリーマンには、月給がある。 その収入はボーナスなど成果によって変動するものもあるだろうが、 一定水準を下回ることは、ほとんどないだろう。 (最低賃金が都道府県によって決められている) アルバイトは、時給など最初に決められた金額を 働いた分だけもらえる。 だが、作家は違う。 作家という仕事はバクチと同じだ。 安定してる部分には、原稿料というモノがある。 これはアルバイトに近く、遣った分だけお金になる。 (1ページいくらとか) しかし、それだけで生活できるかというと、かなり厳しい。 作家が生活するためには、印税はかかせない。 これは、漫画家もアニメのシナリオも一緒。 当然、コミックのシナリオだって同じだ。 なので、「単行本にならない」という仕事はかなりの痛手であり、 生活に直接響く。 連載はある意味お試し期間であり、この間に人気が取れないと、単行本はなし。 私は、6月を中心に多数の「Dアストレイ」の単行本を予定しており、 応援してくれたファンには、本当に感謝感激である。 もうひとつ、アストレイでは、スタッフにも恵まれている。 上記したように「人気」というのは単行本化にかかせない要因だが、 その「人気」をクリアしていても単行本にならないことがあるからだ。 大抵、スタッフ(もっとはっきり言うと漫画家さん)に問題がある。 私も「人気」あるのに単行本化されない作品をいくつか抱えている。 ひとつは、K談社の作品で、これは漫画家さんの原稿修正待ちだ。 もうひとつはK川書店で、こちらは連載が最終回の直前で停止している。 しかし、私(とシナリオスタッフ)の作業は、最終回まで納品を終えている。 あとは漫画家さんが描いてくれさえすれば、単行本化は間違いないところだ。 読者も、それを待っている。 その作家さんが作品を描けない理由は聞いたが、 私に言わせれば理由になっていない。 (作品とは、関係ない理由だ) 読者が待っている作品があるなら、それを描く義務がある。 同時に、スタッフや、版権元への責任もあるハズだ。 私も連載再開、完結、そして単行本化を心待ちにしている。

言葉の持つ設定力

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あくまでも個人的な意見だが、ガンダムで一番の発明は「型式番号」だと思う。 この1つの番号を作っただけで、どれだけメカにリアリティがうまれたことか。 発展図は、あくまでも型式番号の付属品みたいなものだ。 型式番号があれば、ある程度、発展図も想像出来る。 (SEEDの発展図は、それほど単純ではないけど) 同じように考えた時、SEEDで一番の発明は 「コーディネイター」という言葉だと思う。 この言葉が、SEEDという世界を言い表している。 「人種を言い表す言葉」には、ファーストの「ニュータイプ」もあるが、 これよりも「世界を表現する」という意味では、重要になっている。 なぜなら、ニュータイプを知らなくてもファーストを見ることが出来るが、 コーディネイターを知らずにSEEDを見ることは出来ない。 コーディネイターという存在が、 対立の構図を説明し、 科学技術の発展度を説明し、 主人公(キラ)の苦悩を説明する。 コーディネイターという言葉があるから、 ナチュラルという言葉も生きるし、 ブーステッドマンもエクステンデッドも存在できる。 一方で、 SEEDでは、言葉の持つ設定力が、今までと違った使われ方もしている。 一般的に設定屋は、「聞き慣れた言葉」、「言いやすい言葉」を選ぶ。 私もそうする。 だが、そうした言葉は、すでに使われてしまっており、なかなか新たに見つけ出すのは難しい。 SEEDでは、この部分で大胆な冒険をしている。 ほとんど使われたことのない単語や言語をバンバン導入しているのだ。 個人的に一番驚いたのは、「フォビドゥン」だ。 発音できないし、どんな表記したらいいのか分からない! 今までの常識なら、ぜったい使わない単語だ。 SEEDは、そうした言葉を多用しながら、それを浸透させるのに一役買っている。 「聞き慣れた言葉がないなら、聞き慣れさせてしまえ」 という訳だ。 ※本当にそうスタッフが思っているのか知らないが、そう感じられる。 ちなみに先日発表された「スターゲイザー」で、「改」が取れた2機。 この名前については、「ある色の名前」というのが決まっていて、 そこから数種類の言語の案を、私が用意した。 最終的に選んだのは監督。 イタリア語が選ばれている。 今回、アクタイオンがユーラシアと関係しているので、ヨーロッパなら、どこでもアリなのだ。 最後に、「デルタ」でも、いろいろ 新しい設定力をもった言葉を用意している。 火星移住者が「マーシャン」なのも、その1つ。 今後作品内では、マーシャンから見た地球人の呼び名も出てくる予定だ。 ※すでに設定は作った。楽しみにしていて欲しい。

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