※単行本2巻に収録。
前半は、6話用に書いたシナリオのこぼれ部分が使われている。
サブタイトルは、私が同時に展開していた別ガンダム作品から。
担当編集からは「同じですけどいいのですか?」と確認が入ったが、もちろん「わざと」です。
ただ、当時、あまり指摘はうけなかったな〜。
ロンドのM1は、ガーベラを逆手にもっている。
これは「当初」こだわっていた部分。
実は電撃のゴールドフレームの話でもビームサーベルを逆手に持っている。
(デルタでアグニスの攻撃を受けた時も、ときた先生がこれを意識したのかも。これについては未確認)
ロンドと、ロウの戦いは、ただの勝った負けたの戦いにならないように気を配った。
ここで描かれるのは、パイロットとしてのロンドの勝利と、ジャンク屋としてのロウの勝利だ。
(逆に両者の敗北と考えてもよい)
お互いに違う職業であることを強調している。
この部分が、兵士が主役となる他の「ガンダム」作品との差別化になると考えていた。
そして問題のロウによるキラ救出が起こる。
このシーンは、アニメのシナリオを読んだ段階で、「空白の時間」になることがわかり、「アストレイ」での補完をお願いしたものだ。
(他にも、そうした「空白」を見つけては、埋めさせてもらっている。
「X」や「D」ではシリーズそのものが、空白の時間を扱っている)
ストライクの「エマージェンシーシャッター」は、ぬえの森田氏のアイデア。
森田氏とサンライズ下村氏が、打ち合わせしている時に話が出て、
すぐに私の携帯に連絡をいただき、作品に盛り込んだ。
雨に濡れたストライクが、泣いているように見えるのは、私のお気に入り。
「ジャイアントロボ」に代表される「心がないはずのロボットが……!」というのは、私のような巨大ロボットアニメ創世世代のツボなのだ。
146ページのストライクがフェイズシフトダウンするシーンは、
色のないコミックの中で、ときた先生が苦心されたシーン。
無責任にシナリオを書いて、ときた先生にお任せしてしまったが、ちゃんとそう見える作画がアップしている。さすがの一言。
148〜150ページまでで、アニメと同じシーンになるように(ロウが見えないように)構図やシーンの構成を調整してくれたのも、ときた先生だ。
※シナリオでは、導師が、キラを「見て」、「キラだ」と気づくシーンだったが、よく考えれば、導師は盲目。すぐにときた先生がドックタグを指で読むように変更してくださった。いや〜、先生には助けられてます。
ここでレッドフレームが装備しているフライトユニットだが、
一度キット化の話もあった。
だがボリュームがありすぎてボツになった。
しかし、その時に作った設定が生きて、プラモーション(アニメ版)の「アストレイ」では、フライトユニットを装備している。
※「スターゲイザー」のDVDに収録されてますので、ご確認を。ただしレンタル版には収録されてません。
151ページのラクスは、一度入稿前に修正してもらいました。
(頭と手のバランス)
導師と共に、リーアムも宇宙へ。
ここで、「R」と繋がる伏線としてGGユニットが登場。
「R」を読んでいる人には分かるが、リーアムは、リ・ホームの準備のために先に宇宙に上がったのだ。
本編とのリンク、「R」へのリンクなど盛りだくさんだったこともあり、前号から風花が出ているのにサーペントテールがまったく出ていない、おかしな状況になってしまった。
そこで「これから何かある」的に最後の1ページだけサーペントテールを出すことになった。
「厄介なことが」などと劾は言っているが、この段階ではギガ・フロートに行くことだけが決定していて、どんな事件が起こるかは決めてなかった(我ながら、ひどいな……)。