「だれを敵とすべきなのか?」
これは「SEED」シリーズでは、何度も口にされる重要なテーマのひとつだ。
しかし、今回、マーシャンは、異邦人であるが故に、だれとも(今のところ)敵対関係にない。
それでも上記テーマはマーシャンにとって、
重要な意味を持つ。
なぜなら、上記の言葉はこう読み解くことも出来るからだ。
「だれの敵にもならないためには、どうしたらいいのか?」
前にこのブログの中で「地球と火星間では距離がありすぎて戦争にならない」と書いたことがある。
それでも、マーシャンは「だれかの敵」となり、「火星圏での戦争」が始まるのを恐れている。
(物語が進めば、その理由は明らかになる)
「だれの敵にもならないためには、どうしたらいいのか?」
この言葉を考える時、
マーシャンの立場は、以下の本編の組織に近い。
ひとつは、議長の策謀によって世界の敵とされたロゴスであり、
ひとつは、地球連合の敵にならないために連合の一員となったオーブだ。
マーシャンは、ロゴスにも、オーブにもならないために、行動しているのだ。
その割には、プラントに協力して戦闘に加わったりしているが……。
これにも理由があって、基本的にマーシャンは、
義にあつい設定にしている。
※この要素も敵を作らないためには(普通は)良い効果を持つ。
つまり、我々現代日本人とは、少し考え方が違うのだ。
それでも、「プラントなんて関係ない」と無視するよりは、
その行動には共感出来るキャラだろう。
理にかなっていても、正義感のないキャラは、フィクションでは共感されない。
我々には、現実に出来ない行動だからこそ、共感出来る部分もあるのだ。