「無印」5話&「R」7話

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2つのコミックは、基本的に違うエピソードを扱うようにしていた。 だが、物語上、どうしても重要なものは、両誌で扱わざるを得ない。 これまで1話の一部だけが、共通だったが、 このエピソードでは、まるごと同じ話を書いている。(細部は違う) 理由は、両誌ともに「どうやって地上に降りたのか」を説明する必要があったからだ。 ※実はゴールドフレームに関しては、「R」では重要視していなかった。  敵として、ルキーニがすでに存在していたからだ。 ・ときた版(無印) 冒頭、ルキーニと劾のシーンで始まる。 ルキーニが、はっきりと登場するのは、これが最初だ。 (これまでも、ちらちらは出てた) このキャラに興味をもってもらえれば、ガンダムエースの読者に少年エースを読んでもらえるかもしれないと、考えてのシーンだ。 なぜ、劾に会いに来たかは、少年エースを読むと分かる。 ・両誌 ロウが、ゴールドフレームの存在にニュータイプ的感覚で気づくシーン。 実は、ロウの初期設定には「メカに関してはニュータイプ的直感力が働く」という記述があり、それを生かした。 少し微妙な問題もあるので、シナリオに盛り込む前にサンライズに確認をとった。 「これぐらいなら、アリでしょう」という返事でオッケーに。 ・両誌 ゴールドフレームが装備しているのは、デュエルのバズーカだ。 実はサンライズから連絡があり、 「初期設定のみで本編で使用する機会のないデュエルのバズーカが、おもちゃに付属することになった。アストレイで出してくれないか?」 とのことだった。 そこで、へリオポリス崩壊時に、ゴールドがデュエル用の装備を持ち出したことにした。(このエピソードはのちに電撃で詳しく描くことになる) ・戸田版(R) ガンダムエースでは、なぜゴールドに襲われたのか、その理由がない。 戸田版では、「ザフト基地へコロニーの外壁を落とし、その間に自分が地上へ降りるため」という説明が出てくる。 理由がないガンダムエースは、まずルキーニが「何かある」と話題をふるので成立している。また、これ以後、ゴールドとの因縁が深まり、そこで対立関係が見えてくることで、この段階での具体的な理由がなくても成立するようにしている。 コロニーの外壁のデザインは、戸田先生が担当した。 戸田先生は、これに凝りすぎて、原稿の作業が遅れてしまうことになった。 「ときた先生も使う設定だから」というのが、まじめな戸田先生らしい理由だ。 ・両誌 ホームのクレーンで、ゴールドを殴るのは、私がせひやりたかったシーン。 世にも珍しい宇宙船による格闘戦のシーンだ。 最後に「ホームはこんなことも出来るよ」と、読者に教えたかったのだ。 実は、戸田版では、このシーンはスペースの都合で、カットになりそうだったが、 なんとか入れ込むことが出来た。 ・両誌 最後の1ページは、両誌ともに「朝日」「レッドフレーム」「ロウ」という共通のイメージで書いてもらっている。 見比べると、両誌の作品の違いを、読み取ることが出来ておもしろい。

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このページは、千葉智宏が2006年5月 3日 01:09に書いたブログ記事です。

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