仕事の思い出3「逆襲のシャア」

|
私は、「逆襲のシャア」で2回仕事をしている。 どちらもゲームだ。 最初は、バンプレストのゲームセンター用の体感ゲーム。 SDガンダム型(νガンダム)の筐体で、 プレイヤーは、アムロになって操縦し、「逆襲のシャア」のストーリーを体験していく、コース固定型のシューティングだった。 私は、このゲームのシナリオと、絵コンテを担当していた。 当時(今もだが……)文字書きがメインで、絵描きではなかった私は、 この絵コンテにかなり苦戦させられた。 だが、完成したものには、かなり自信をもっていた。 ところが、このゲームは世に出ることはなかった。 実は筐体に問題があったのだ。 SDガンダム型筐体は、その形の都合上、 プレイヤーとメインモニターの距離がすごく近くなってしまった。 これで体感ゲームをやると、だれでも船酔い状態になってしまうことが発覚したのだ。 あえなく企画と一緒に私の絵コンテも、ボツとなってしまった。 (制作費はちゃんともらいました) 次に「逆シャア」に携わったのは、 プレステの「逆シャア」。 私は、このゲームのシナリオを担当している。 (ちなみにコミック化を、ときた先生がやっていて、 面識はなかったが、この時点でも先生とはニアミスしているのだ) 映画である「逆シャア」は、ボリュームが少ないので、 このゲームでは、アムロとシャアが一年戦争を振り返るシーン(ステージ)が挿入されており、二人の因縁の対決が、すべて体験できるようになっていた。 さらにLD(なつかしい……)についていた監督のメモから拾って、膨らませたシーンも追加されていた。 これらのシーンは、時計を片手にセリフの時間を計りながら、シナリオを書いた。 当時のゲームは、まだ音声データの容量(一度に読み出せる量)がシビアだったのだ。 だが、アフレコが終わった後、プロデューサーから電話があり、 「セリフが長すぎて入らない」といクレームを受けた。 「そんなバカな!」ということで、 アフレコしたデータを私が確認してみると、 私のシナリオを絵コンテにした人が勝手に膨らませてしまっていたのだ。 「これはもう、こちらでは、どうにもなりません」 ということで、対処は先方にまかせることとした。 (シナリオのとおりに戻してもらうのが、一番なのだが……) このゲームには、おまけで、いろいろな機体で遊べるステージがついていた。 そこは、私の担当ではなかったのだが、 プロデューサーから電話がかかってきて、 「絵コンテをやって欲しい」と言われてしまった。 どうしようか悩んだ末、先に書いた体感ゲーム版の絵コンテを見せて、 「このレベルでよいか?」と聞いたところ、 「よい」との返事が返ってきた。 そこで、絵コンテを引き受けることにした。 後にも先にも、私が絵コンテ作業をしたのは、この二作のみ。 その両方が「逆襲のシャア」だというのは、 完全に偶然なのだが、なんとも運命のイタズラを感じずには居られない。

このブログ記事について

このページは、千葉智宏が2006年4月26日 17:28に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「はじめての設定」です。

次のブログ記事は「仕事の思い出4「デバイスレイン」」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。