2話からグレイブヤード編に突入。
ここでは、サンライズのスタッフからもらった、多くのアイデアが投入されている。
「デブリ帯には隠れて住んでいる人もいる」→下村さん
「レッドフレームに日本刀をもたせたい」→佐々木さん
が、まず基本アイデアだ。
ガーベラ・ストレートは、日本訳すると、「菊一文字」で、
実は、もともとはストライクの武装名として上がっていたモノだ。
それを使わなくなったということで、下村さんから「アストレイで使っては?」
と言われて採用した。
ガーベラ・ストレートのデザインは、戸田先生。
ただし、ラフ段階でときた先生に監修を受けている。
(ときた先生のお父様は、挿絵画家で時代劇に精通されている)
「デブリ帯」が、この作品では「デブリ海」と呼ばれている。
どこで、間違えが発生したのか不明なのだが、(たぶん聞き間違いによるミス)
その名称がジャンク屋らしかったので、彼らはそう呼んでいることにして、
あえて修正しなかった。
舞台となるグレイブヤードは、墓場という意味。
後付になるが、現在の設定では、ステーション「宇宙樹」が破壊された時の一部ということになっている。
(デブリ帯にただよう多くのゴミがこのステーションのなれの果てなのだ)
風呂上がりのプロフェッサーには、サンライズから注意を受けた。
蘊奥と伝八(犬)が操縦するバクゥは、第一次地球降下作戦時に、
大気圏突入前に破壊された船につまれていたモノ。
だから、宇宙なのにバクゥが存在しているのだ。
このバクゥの操縦法について、オートを最初検討していたが、
「現段階で人を介さない操縦を示すのは危険」というサンライズの判断が下り、
今のような「直進するだけなので、犬がレバーを押さえている」という形になった。
回想シーンで登場する蘊奥専用ジンだが、
「ナチュラルでも、簡単な動作ならモビルスーツを操縦出来る」というサンライズの話に基づいて乗せている。
蘊奥は、まっすぐに刀を振り下ろす動作のみで、敵と戦っていたと思われる。
(なお、テレビでは、より分かりやすくするため、
「ナチュラルは操縦できない」という大きなくくりで統一されている。
だが1話でマリューが操縦したように、動かすことは無理ではないのだ。
彼女は、パイロットでもなく、平時でもない状態での操縦だったことを忘れてはならない)
蘊奥専用ジンは、のちにホビージャパンで作例が掲載された。
作者も、これにはびっくりした。
単行本91ページからの4ページは、シナリオ段階ではなかったが、
編集部からの「アストレイとロウの活躍が少ない」という指摘に対応して、
追加したシーンだ。
文字通り追加したので、当初書く予定だったページ数より増える結果となった。
だいたい雑誌は、原稿執筆時には、台割(構成表)がきまっているので、
直前で変更されるのは、きわめて珍しいことだ。
蘊奥(ウン・ノウ)の意味は、「奥義」。
まさに名が体を表している。