アストレイと私

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三年半前のある日、私にサンライズからお呼びがかかりました。 「新作のテレビシリーズの外伝を作ってほしい。 プロットは、ぬえの森田さんが作ってくれる」 ということでした。 これが「アストレイ」シリーズの始まりです。 ガンダムに外伝作品は多数ありますが、アストレイは以下の点で 大きく違います。 「本伝と同時展開である」  テレビ放映中に開始された外伝は、これしかないはずです。 「版権許諾ではなく自社作品」  一般の方には、わかりにくいかもしれませんが、  ほとんどのガンダムコミックやゲームは、サンライズやテレビ局から  版権を使用する許可をもらって作っています。  ですが、アストレイは、サンライズの自社作品であり、  コミックとテレビという媒体の違いはあっても、本伝と同じ扱いなのです。 最初から「ガンダムエース」、「電撃ホビーマガジン」、「ザ・スニーカー」の 三誌での連載が決まってました。 このころ、ガンダムエースは隔月誌で、 電撃ホビーは「AOZ」と交互に隔月で連載する予定だったようです。 また、スニーカーは、今でも隔月誌です。 そんな訳で、三誌での連載といっても、実質一ヶ月には1.5話です。 これは、それほど無理な話ではないように思えます。 (当時、私はチャンピオンの週刊連載と、ガンダムエースでの夏元先生の コミックも担当してました) やがて、どういう訳か「少年エース」でも掲載することになりました。 同時に四誌に連載するなんて、そんな作品聞いたことがありません。 (まあ、「SEED」に対する期待の高さの表れなのですが) しかも、連載をはじめてみると、 電撃ホビーは毎月掲載。 ガンダムエースも月刊化されてしまいました! 気づけば、月に3.5話作ることに! 本伝のアニメが月4話ですから、それに匹敵する数です。 このころ、他の仕事も合わせると、平均で3日に一回締め切りがくる生活をしてました。 これが可能だったのは、 ぬえ森田さんや、シナリオライターの吉野さん、サンライズ下村さんの 完全なバックアップと、 ときた先生、戸田先生、各編集部による協力のおかげです。 (それでも、小説では、休みをいただくこともありました。 編集部のみなさん、ごめんなさい) いよいよスタートした「アストレイ」。 次回は、アストレイの立ち上げ時の設定製作について書きます。 やっと、昔話から、多少の技術論へ入ります(笑)。

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このページは、千葉智宏が2006年3月 1日 02:01に書いたブログ記事です。

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