コミックのシナリオの書き方にとくに決まりはありません。
ですが、いろんな作家さんと作業してきて、私には、
「これがよいな」というスタイルが出来てきました。
以下にそれをご紹介。
プロをめざしている方は参考にしてください。
※すでにプロの方で「もっと良い方法がある」という人はご指導お願いします。
サンプルは、現在発売中のガンダムエース「Dアストレイ」最終回の冒頭です。
雑誌を買って読み比べて頂くと、さらによいかと。(宣伝)
※赤い文字はブログ用に書き足した説明です。
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機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY
ガンダムエース 21話
2006.02.25スタジオオルフェ千葉
●はじめに
モノクロ32ページ想定。最大34まであり。
※最終回。
↑ページ数を記載することは重要。ページ数の間違いはコミック作業において致命的となるからだ。
カラーページがある場合は、そのことも別途記載する。
この回は例外的にページ数に振り幅があった。
●タイトル案
1・SCOOP.21「真実を見る者」
↑大抵4〜5案のタイトル案を提示しますが、最終回だけは、タイトルを決めてました。
●舞台
・宇宙、アメノミハシラ
・宇宙、マティスの秘密基地
・地上(南米?)
●ゲストキャラ
特になし
●ゲストメカ
ベルグランデ
※電撃「B」最終回に登場した巨大モビルアーマー
●歴史
・テレビ7〜9話と同時期。
(開戦への動き)
※前回の直後。開戦前。
↑舞台や、キャラ、メカ、歴史などは、指摘しなくても作業できますが、
ここでピックアップしておけば、漫画家さんの洗い出し作業が楽になります。
●シナリオ
■アメノミハシラ、その他(シーン1)
↑場所とシーン番号を書き込む。
これがあると打ち合わせがスムーズ。
※前回のミナの放送とセリフかぶる。
(以下の数行は前回と同様なのでセリフ変更不可)
アメノミハシラのミナ。
ミナ「私はロンド・ミナ・サハク。
現在は、どこの国家にも所属していない。
私はこれから、ある計画を全世界に向け、発信する。
それについて、どう判断し、
どう行動するかは個人の自由だ。」
セリフの間に周りにいるアメノミハシラの人間のカット挿入。
ここにいるのは、前回同様だが、プラス、劾のシルエットを加える。
× × ×
↑同一シーンでも、場所が違うなどの場合には、区切り線を挿入。
地上。
被害地。作業しているモビルスーツ・レイスタ。
そのそばで、ラジオ(?)で放送を聞いている人。マルキオ導師だ。
ミナ「先日のユニウスセブンの落下。
両陣営ともに、相手を強く非難している。
その矛先は、関係ないジャンク屋組合にまで向けられた。
だが、はたして、本当にその非難は正しい物なのか?」
働くレイスタのジャンク屋マークがアップになる。
マルキオが見えない視線をよこに流す。
その先にいるのは、キラとラクスと子供たち。
(シルエットに近い扱い。背景キャラ)
↑ここは、変更になっている。
最終回ということもあり、キラたちは、はっきり登場することに。
■マティアスの屋敷(シーン2)
部屋にジェスが飛び込んでくる。
中には、カナード、イライジャ、そしてマティアス。
にっこりほほえむマティアス。
マティアス「間に合ったわね。ジェス」
カナードたちに驚きつつ、マティアスに詰め寄るジェス。
ジェス「使いの者から、聞いた。
『一族』って、なんだマティアス。
真実を歪める者って……」
※小説で風花から概要を聞かされており、やってきた。
↑他誌との連動は明確にしておく。ここでは、わざと風花の名前を伏せている。
出すと、読者の興味が風花に流れるおそれがあるため。
マティアス、カナードたちに先に行くように促す。
マティアス「説明するわ。
ぜひ、あなたには、真実を知ってほしいから」
すでに死を覚悟しているマティアス。
平静であり、笑顔(あまり深刻ではない)。
↑セリフだけでは、その時の感情がつたわりにくいので、表情などの指示を出す場合もあります。また、疑問があれば漫画家さんから、「この表情は?」と問い合わせもあります。
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以下、まだまだ続きますが、だいたいこんな感じです。
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このブログ記事について
このページは、千葉智宏が2006年3月31日 00:05に書いたブログ記事です。
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