2話にして、シナリオ作業が大きく遅れたのを覚えている。
理由は、テレビとのリンクにある。
シナリオ段階では、まだアニメで要塞アルテミスは登場しておらず、
設定とアニメのシナリオから推理して書いた。
レッドとブルーの両方が登場するガンダムエース版では、
この特徴を生かした構成を心がけ、
二話では、両者が激突する話となっている。
当初の予定では、アルテミスから逃亡したガルシアをロウたちが拾い、
ガルシアにだまされて傭兵たちと戦う構成を考えていた。
「傭兵に要塞を追い出されたんです。たすけてください〜」
というような情けない感じを想定していたが、
ガルシアの声優さんがきまり、
そのキャストをみて「そんなキャラじゃない」と判断、
傭兵の方を知略(?)でだます形に落ち着いた。
構成として、冒頭のカラーページでレッド対ブルーを見せたかったので、
(そうしないと同型機は、判別が難しい)
いきなり山場からはじまり、
モノクロで、きっかけのシーンに戻るようになっている。
本来、時系列を前後させるのは、読者が混乱するのでやらないが、
これはカラーの有効利用のため、いたしかたなし。
余談だが、このカラーに描かれたブルー(フルウエポン)は、いろんな所で流用され、けっこう有名なイラストとなった。
たしかときた先生のスタジオで作画中にアルテミス編の放送があって、
放映を見て、急遽、アルテミスの傘の処理を変更したとうかがった。
この話で一番やりたかったのは、
「同型機で、武器を奪って使う」
ということ。
ガンダムという作品は、量産機が多数でるが、おそらく同型機が相手武器を奪って使ったことは、ほとんどないのではないか?
二機のアストレイの使い方も、傭兵らしさと、ジャンク屋らしさを全面にだしている。
(劾は、多数の装備、ロウは、節電のために片腕の機能を捨てるなどの使い方)
ガルシアのギブスの中の銃や、イライジャの足技(カポエラ)などは、ときた先生の案。
劾がサングラスを外してイライジャにアイコンタクトするシーンは、女子に人気があったようですが、作者としてはまったく予想外の反応でした。
予想外と言えばガルシア。
まさか、こんなに何度もアストレイに登場するとは考えてませんでした。
すっかりアストレイのキャラです。
(なぜか出すと人気もある)
ブルーのフルウエポンは、Bクラブからキット化もされました。
SDガンダムのプラモデルの説明書では、レッド対ブルーが再現されています。
これも必見。