追加キャラについて

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ジャンク屋チーム、傭兵チームともに、物語の途中で追加されたキャラがいます。 本日は、彼らについて説明します。 ジャンク屋の「キャプテンGG」は、 実は生きていたファースト・コーディネイターのジョージ・グレンです。 (正確には、追加キャラではなく、本編からの移籍になるのでしょうか?) その脳だけが、保管され生きていたというのは、 私のアイデアではなく、本編プロデューサーからの案です。 キャラの性格が本編と違うのは、 ぬえ森田さんの案と、ときた先生の案を、まぜこぜにした物です。 外見については、ときた先生案。 脳が保管されていたカプセルのデザインは戸田先生。 (設定画のカラーは、ときた先生が塗ってます) このキャラも、ただ遊びで出したのではなく、 コーディネイターとナチュラルの関係論、 そして、「コーディネイターというものの本質はなんだったのか?」 を語らせるために登場させました。 つまり、コミックの中でジョージがナチュラルのロウに対して、 「君こそコーディネイターだ」と語るシーンのためですね。 (意味が分からない人は、ぜひ単行本を) これは、本来なら本編アニメで語られるべき設定かもしれませんが、 ご存じのとおり、本編のテーマとして、 「コーディネイターとナチュラルの違い」は、重要ではなくなってました。 (ごく普通の関係(友達とか)にある、人と人との対立などのテーマが重要になってました。 ここに人種間の対立を持ち込むのは、得策ではないのです) せっかく作った設定でも、本編のテーマを語るのに不要であるなら、 あえて表に出さないのは、正解だったと思います。 外伝は、そうした脇道となってしまった設定を 解説するのにも、効果的に機能したと思ってます。 傭兵チームの追加キャラは、「風花・アジャー」です。 このキャラも、正確な追加キャラとは言えないかもしれません。 文字資料だけなら、最初から「ロレッタの娘」として、 設定されていたからです。 当初、私は、風花を物語に登場させるつもりはありませんでした。 ですが「風花は、いつ登場するのか?」という問い合わせが多く、 「そんなに期待されてるなら」と小説版から登場させました。 「傭兵チームのメンバー紹介を子供の視点から描いたら ちょっとおもしろいかも?」 というような軽い気持ちだったのを覚えてます。 この小説を入稿した時、それまで一度も原稿の 感想をいわなかった担当さんが「おもしろかったです」 と、電話してくれたことを覚えてます。 風花のデザインは、緒方さんの挿絵がもとになってます。 そこから、ときた先生がコミックに登場させ、 最終的にお二人の絵を見て、植田さんがキャラ設定にまとめました。 つまり、それまでのキャラとは、逆パターンで外見が作られました。 風花は、アストレイのシリーズの中でも、もっとも イレギュラーな存在でした。 こんなに登場することになるとは夢にも思ってませんでした。 (男女どちらからも、人気があるようです) 彼女のすごい所は、彼女と係わったキャラは、彼女に引っ張られるように キャラが立っていく(人気が出てくる)ということです。 ここまで行くと、もう計算して作れるキャラではないですね。 風花は、生きていて、勝手に動き回っている。 私は、そんな風に感じてます。 たまに、ときた先生と、十年後のアストレイについて話したりします。 その時、風花がどうなっているのか? 私も、ときた先生も、いろいろな予想をしてますが、 おそらく当たらないでしょうね。 彼女は、作者の思惑なんて、完全に超越してますから。 分かってるのは、十年後だろうと、二十年後だろうと、元気にやってるということだけです。

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このページは、千葉智宏が2006年3月 5日 00:21に書いたブログ記事です。

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