ガンダムコミックと私

|
ガンダムのゲームのシナリオを書くようになった私。 今ではガンダムゲームは、コミック化されることが多いですが、 (私が増やしてる張本人という噂もあり) この当時は、めずらしかったと思います。 まあ、オリジナルストーリーのゲームというのが(ほぼ)初めてでしたから、しかたありません。 「戦慄のブルー」には、ありがたいことにコミック化の話がきました。 この時、まだコミックのシナリオを書いたことがなかった私は、 決まっていた連載期間に合わせて、ゲームのシナリオを分割。 それぞれを肉付けしていく手法をとりました。 が、結局、シナリオどおりにコミックは書かれませんでした。 結果として、「戦慄のブルー」は、連載期間を終了しても半分の物語しか消化できませんでした。 後で人づてに知ったのですが、私のシナリオは漫画家さんに渡っていなかったようです。いったい、どんなトラブルがあったのか、今では確認のしようもありませんが……。 ちなみに、この時の漫画家さんも、半分で終わったことで不完全燃焼だったのでしょう。連載終了後、別のアンソロジー系の単行本に後半部分を1話に凝縮して描かれました。(私は、これまた人に教えてもらうまで、描かれたことを知りませんでしたが……) 「ブルー」のコミックは、すごくおもしろい作品になりましたが、上記のように私的には「大満足」という状況とは、少し違うものになりました。 ※たぶん、私のシナリオが使われていたら、もっとつまらなくなっていた可能性が大です。それが、一番の不満だったりします。 次にオリジナルでは、「コロニーの落ちた地で…」のシナリオを担当。 この作品も同様にコミック化されました。 こちらは、確実にシナリオを漫画家さんに渡し(それがあたり前)、 まとめ書きせずに、毎回、読者の反応を見ながら進めていきました。 この作品では、同じ事件を連邦側とジオン側から描き、それぞれ別の漫画家さんが担当しました。 それぞれの漫画家さんに担当してもらう物語を決める時、 A先生は、ジオン。 B先生は、連邦。 と、書きたい作品がきれいに分かれ、とても助かったのですが、いざ書き始めると問題発生。 物語の構造上、どうしても、連載は連邦から始めなくてはならないのに、 連邦好きのB先生のスケジュールが合わないのです。 しかたなく、ジオン好きのA先生に連邦を描いてもらうことに。 続けて、連邦好きのB先生にジオンを描いてもらうことになりました。 スケジュールのためとはいえ、これは今でも悔やまれます。 蛇足ながら…… この作品は、ガンダムコミックには珍しく単行本になってません。 単行本化の話は何度もでているのですが、 実は、B先生の連載時の原稿に修正(というか、書き足し)の必要があるのですが、その作業がなかなか進まないのです。 出せば売れると思うのですがね…… ちなみにB先生は、ガンダムの某カードゲームで人気のイラストレーターでもあります。 そうそう、「ひどい」単行本化の話もありました。 某ガンダム作品の単行本を早く出すために、この作品を巻末に収録して水増ししよう、という案です。 当然、許される訳がありません。 その某ガンダム作品は、私の「アストレイ」のライバル作品だったのですから。 ※先方の出版社は、私がシナリオ書いてることに気づかなかったのでしょうかね? それと、単行本化のおりには、ぜひ印税をお願いします。 実は、上記した二作とも、私はコミックシナリオの代金をいただいてません。 「すべてはゲーム宣伝のための仕事」と当時は納得してやりましたが、 あまりにひどい話でしょ。ねぇ、k社さん。 次回は、いよいよ、ときた先生との出会いを……。

このブログ記事について

このページは、千葉智宏が2006年2月26日 23:43に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「ガンダムと私」です。

次のブログ記事は「ときた先生と私」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。