今では仕事の半分以上がガンダム関係です。
高校生の時に、熱中していた物が、こんなに仕事に役立つとは思いませんでした。
本当、勉強なんかよりずっと役立ってます。
(勉強を否定するつもりはありません。
ですが、熱中したことの方が、後々身になる物です)
さて、私がガンダムの仕事をはじめる前について書きたいと思います。
きっかけは、前の会社で受けた学研の学習誌のゲーム記事です。
この時の経験から、バンダイ出版の攻略本を引き受けることになりました。
その中に、当然のように「ガンダム」ゲームもあった訳です。
(かなり大量に……当時はSDが主流でした)
そして、時間は流れ、私は仲間たちと、オルフェを設立しました。
バンダイ出版とお仕事は続けておりました。
そんなある日、運命の出会いをします。
バンダイのゲーム事業部の方が、オリジナルのガンダムゲームを作ることになり、そのゲームに付属する説明書を「アニメのムックのような作りにしたい」と考えられて、バンダイ出版に人を紹介してくれるように頼んできたのです。
当時、バンダイ出版では、私よりガンダムをに詳しい事務所「A(仮)」がありました。
バンダイ出版の担当は「二カ所、紹介出来るけど、一週間ぐらい締め切りを遅れる事務所と、一ヶ月遅れる事務所、どっちがいい?」と聞きました。
当然ながら、ゲーム事業部の人は、前者を選び、そして私に声がかかりました。
当時の私は、「売り」とよべる物がなかったので、とにかく締め切り厳守を心がけてました。実際、「この人にしか出来ない」というような作家業ではないライターの仕事では、これはかなりの強みになりました。
※今では、締め切り破りの常習犯になってしまいました。
現在の担当のみなさま、ごめんなさい。
とにかくゲーム事業部から仕事をいただけることになった私でした。
で、いざ参加してみると、ゲームのシナリオがほとんど出来てませんでした。
困ったバンダイの担当と、ゲームの監督が、シナリオライターの家に押しかけてみると、シナリオはまったく進んでいないのにタナの上には、昨日発売されたばかりのガンプラが完成して飾られていたそうです。
その瞬間に、このシナリオライターは、見限られました。
この方は、もともとアニメのシナリオライターだったため、ゲーム用のシナリオの書き方が分からず、手が進まなかった部分もあったようです。
※この方が作ったプロットは、謎の特殊技術を追うジャーナリストの話でした。
ですが、ゲームはアクション・シューティングだったのです!
すぐにでも代わりのシナリオ・ライターが必要でした。
その時、白羽の矢が当たったのが私だったのです。
私が最初に渡したオルフェのパンフレットに記載された「ゲームシナリオの制作」というのが目にとまったのです。
※前記したとおり、すでにゲームのシナリオをいくつか担当してました。
急遽、説明書からシナリオ担当になった私。
時間がなかったので、前の方が作ったプロットからキャラ名を流用。
物語は、完全オリジナルになりました。
そうして生まれたのが「ブルーディスティニー/戦慄のブルー」です。