VSアストレイについて(その1)

|
VSアストレイは、これまでのシリーズとは、かなり立ち位置が違う作品です。
完結したのを機に、ちょっとした「あとがき」のようなものを公開します。
(ムックでの書き下ろしが、まだ残ってますが)

企画の最初はバンダイホビー部からの模型企画のオーダーでした。
旧来のキットをベースにした改良キット数種類に加え、新規でMGブルーセカンドが予定されてました。
本商品企画はアストレイがアジア圏を中心とした海外でも人気があるということを踏まえ、海外で売れ行きが好調である100分の1のシリーズで展開することになりました。
結果的にVSアストレイは、ガンダムシリーズ初の100分の1のシリーズのみの商品ラインナップという希有な作品となりました。
※他にもあるかな? あったらすみません。

これが2月のこと。
私はPGレッドフレームの作業を終えたばかりで、すぐに入院することになり、VSアストレイの企画書は病院のベッドで書くこととなりました(笑)。

最初に書いた企画メモのタイトルは「ASTRAY Librarian(仮)」。
この段階でライブラリアンという敵が登場することが決まってました。
あらすじは3話まであって各タイトルは
・1話「グレイブヤードの亡霊」
・2話「新たなる剣(つるぎ)」
・3話「蘇りし半神(身)」
実際に連載されたものを見ると、1、2話はそのままですが、3話は「旧友」になってます。
これは、企画時には決まっていなかった模型の発売スケジュールが確定したことで、「その月に登場させなくてはならないメカとキャラ」も確定し、全体の構成を変更したからです。

さて、本企画は前記したように商品発でしたが、私にとって「これが最後のアストレイかもしれない」という部分が、もっとも大きい要素でした。
そのこともあって、シリーズを共に作ってきた、ときた先生による漫画という形を望んでいましたが、これは諸事情により実現しませんでした。
ただし、フォトストーリーに加えて、ときた先生が挿絵を描いてくれることになりました。模型誌としては、1ページまるまる挿絵に使うのは、やや異例なことでした。(そのため1話では二分割して収録しています)。

「これが最後のアストレイである」
そのことをメインに考えた時、私としては「総決算」になる作品にしたいという思いが出てきました。
これまで登場させたキャラもすべて出し、読者にとってもお祭り的な作品になったら良いな〜と。
そして、まず最初に思いついたのがギナの存在です。
彼は、その後のミナ様の活躍に対して、あまりに描かれた期間が短かった。
ぜひもう一度ギナを描きたい。
その思いを強くしたことで、「死者が再び出てくる物語」に行き着くことになりました。
ただ、この段階では、現在の物語が持つ雰囲気とは、かなり違ったもので、もう少し「お祭り」色が強く、「アストレイのキャラが総出演して戦う格闘ゲーム」というようなノリでした。
そのため、タイトルも「ASTRAY VS ASTRAY」として進むことになりました。
アストレイのキャラと、アストレイのキャラが戦う物語です。
連載直前まで、このタイトルであり、ロゴ案まで進めていたのですが、「あまりに長い」ということで、
最終的には現在の「VS ASTRAY」となりました。
ちなみにロゴは「SEED VS ASTRAY」となると、SEEDとアストレイが戦うみたいに見えるので、そうならないように注意しています。

つづく

このブログ記事について

このページは、千葉智宏が2010年11月27日 03:39に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「今月(1月号)の00外伝」です。

次のブログ記事は「[告知・募集]」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。